そもそもボトックス注射とは?
今や美容外科で欠かせない治療法、ボトックス治療。注射をするだけで簡単にしわやたるみが改善できるという画期的な治療法ですが、そもそもボトックス注射とはどういった治療法で、どんな効果を得られるものなのでしょうか?
ボトックス注射は、食中毒の原因菌として知られる「ボツリヌス菌毒素」から抽出した成分を、しわやたるみが気になる箇所に注射することで、コンプレックスを改善する治療法です。
ボツリヌス毒素による食中毒は30,000単位以上で起こると言われていますが、ボトックス注射による治療は、1回に5~100単位程度による治療のため、中毒を起こす危険性はありません。
ボトックスの種類
ボトックスというのは、米国のアラガン社が国際商標権をもつ医薬品です。そのため、ボトックスといえば正確にはアラガン社のものを示すことがほとんど。
アラガン社が発表しているものの中には、眉間のしわに対してのみ承認が得られている「ボトックスビスタ」などもあります。こちらは非常に高価なので、多くの美容外科は通常のボトックスのみを取り扱っています。
また、美容外科の中にはボトックスよりも低価格で提供できるよう、同じ成分を含み同じような効果を得られるものとして、各国で承認されているものを採用しているところも多いです。
韓国で流通しているコリアン・ボトックス。Neuronox(ニューロノクス)・Meditoxin(メディトキシン)・Regenox(リジェノックス)など。
アラガン社のボトックス特許が公開されたのを機に、韓国ではいくつかのボトックスに似た製品が製造されましたが、それらの中でもこの3つはKFDA(日本でいうところの厚生労働省)に承認を得ており、アメリカのボトックスと効能としては大差ないといわれています。
美容外科の中には、承認を得ていないボトックス類似薬剤を使用しているところもありますので、事前にきちんと確かめるようにしましょう。
注目のボトックス、ゼオミン
そんな問題点を解決したのが、今注目の治療薬「ゼオミン(Xeomin)」です。
これまでのボツリヌス毒素でつくられた薬剤に比べて、含有複合タンパクが最も少ないため、たとえ中和抗体が産生されてしまったとしても、効き目を維持できるようになりました。
ゼオミンはボトックスの効果をより長く維持できる、画期的な薬剤なのです。
ボトックス注射はどんな治療に使われている?
ボトックス治療はそもそも、眼科用の治療薬として承認を得たものです。
斜視や、眼瞼けいれんなどの治療薬として使われ始め、脳性麻痺、片側顔面瞼けいれんの治療、頭痛や肩こりの除去にいい治療薬として活躍してきました。
現在では、美容の分野ではなくてはならない治療薬として活用されています。
美容の分野では、「しわ」「多汗症」「エラ筋を抑制することでの小顔効果」「ふくらはぎ痩身」「口角アップ」「ガミースマイル」「花粉症の症状軽減」などの治療に使われています。
また、お肌にハリを与えるヒアルロン酸と一緒に使われたり、ワキガ改善のためのレーザー治療などと併用されることも多いです。